英単語がなかなか覚えられない。わが子が漢字を覚えるのが苦手かもしれない。効率のいい学習方法が知りたい。このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。この記事では、現役小学校教員である筆者が、効率のいい漢字や英単語の学習法についてお伝えします。
効率のいい学習法は人それぞれちがう!まずは幅広い学習法を知ろう!
誰でもあっという間に漢字や英単語が覚えられる、そんな方法はないのでしょうか。この記事を読みに来てくださった方は残念に思うかもしれませんが、結論から言うとそのような方法は存在しません。なぜなら、記憶の仕方には個人差があり、一人一人適した学習法は異なるからです。
例えば、周囲から入ってくる情報処理のしやすさが学習効率に関係してくることがあります。目から入ってくる情報がすっと頭に入ってくる人(視覚優位)や耳からの情報が入って来やすい人(聴覚優位)など、人によってどういった情報が処理しやすいのかは様々です。
また、図や絵などのイメージで覚えた方が覚えやすい人、体の動きと組み合わせて覚えた方が覚えやすい人など、記憶方法も人によって大きな違いが出てきます。
まずは、このような自分の学習に関する特徴をしっかりと理解することで、学習効率は大きく変わってくるといえます。
では、自分に合った学習法を知るためにはどうすればよいのでしょうか。それは、まず様々な学習法を知り、それらを試行錯誤していくうえで、自分に一番合った方法を見つけていくのが有効でしょう。
そのため、以下本記事では、筆者が実際に学校現場で活用している記憶法について幅広くご紹介します。
漢字や英単語の学習法その1 読みを音読する
よく新しい漢字や英単語を覚えるときに、いきなり鉛筆で何度も書いて覚えようとする人がいます。しかし、特に耳から入ってくる情報が処理しやすい人(聴覚優位の人)にとっては、鉛筆で何度も書いているだけでは非効率です。
読み方を声に出すことによって、その声が自分の耳にも伝わり、記憶として定着しやすくなります。また、英単語については正しい読み方を理解することで、実際に英会話で活用できる言葉が増えてくるはずです。
漢字や英単語の学習法その2 指でお手本をなぞる
指でお手本をなぞる学習法も有効です。これは指の感触を体が覚えることで、動きを伴った記憶(動作性記憶)として保存されるためです。記憶と一言にいっても、それには様々な種類があることが、脳科学により明らかになっています。
動作性記憶は様々ある記憶の中でも体の動きと結びつく記憶であり、一度覚えてしまえば長期間忘れにくいという特徴があります。動作性記憶が働きやすい人にとっては、指でなぞるといった記憶法は有効でしょう。
漢字や英単語の学習法その3 空書き
空書きは、覚えたい言葉を空中で書く記憶法です。まずはお手本を見て確認し、その後お手本を見ずに指で空に書いてみるという方法です。
お手本を見ずに空中に書くため、お手本を思い出しながら練習することになります。これにより、お手本を見るインプットと、思い出して書いてみるアウトプットを交互に行うことができます。
脳はインプットとアウトプットを繰り返すことにより、記憶を定着させていきます。そのため、インプットとアウトプットを交互に素早く行うことができる空書きは有効な記憶法の1つといえます。
漢字や英単語の学習法その4 絵や写真と言葉をセットにして覚える
言葉だけでなく、絵や写真とセットにして覚える記憶法です。これは、特に映像記憶が働きやすい人に有効です。
映像記憶とは、その名の通り記憶を写真や映像として保存することを言います。関連する写真や映像と覚えたい言葉を線で結ばせたり、それらを見ながら書く練習をしたりすることで、言葉と映像記憶が結びつきます。
教育現場では、抽象的な概念が理解しづらい小学校低・中学年でよく用いられる手法の一つになります。
漢字や英単語の学習法その5 その言葉が使われている文とセットで覚える
その言葉が使われている文を音読したり、書いたりして覚える方法です。
言葉はその単語一つだけで意味が確定するのではなく、周りの言葉や文での位置関係などから意味が確定していくものです。文の中での漢字や英単語の使われ方に着目しながら学習することで、文脈と照らし合わせて言葉を記憶することができます。
また、この方法は学習した言葉をすぐに活用できるという良さもあります。
漢字や英単語の学習法その6 パーツごとで覚える
漢字や英単語を成り立たせるパーツごとで認識して覚える方法です。
例えば、「習」という漢字であれば、「羽」と「白」というパーツから成り立ちます。「羽が白くなると習う」といったように、パーツを表す文を作って記憶することができます。
また、英単語でもこの記憶法が有効な単語が多くあります。例えば、「dislike」という単語であれば、否定の意味を表す「dis」と好むという意味を表す「like」というパーツからできています。
このようにパーツごとで漢字や英単語を認識する学習法は、歴史の年代の語呂合わせのように、言葉に別の意味を結びつけて一緒に覚える記憶法と近いといえます。語呂合わせの記憶法が得意な方には有効でしょう。
まとめ
この記事では、様々な漢字や英単語の学習法を紹介してきました。
1つの学習法だけでなく複数の学習法を組み合わせることで、さらに学習効率をアップさせることもできます。
冒頭にも述べたとおり学習効率が高まる学習法は人それぞれ異なります。まずは、いろいろな学習法を試す中で自分に合う学習法を見つけてみてくださいね。最後まで見ていただき、ありがとうございました。
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