ディベートをするとどんな力が身につく?ディベートを学ぶメリットを解説!

子育て

近年、ディベートをいう言葉をよく聞くようになりました。学校教育だけでなく、企業の研修などでもディベートが行われることが増えています。

しかし、ディベートをすることでどんな能力を身につけられるのか、ディベートにはどのようなメリットがあるのか、よく分からないといった方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ディベート歴8年の筆者が、ディベートを行うことで得られるメリットについてお伝えします。この記事を読んだ後には、ディベートを学ぶメリットについて具体的なイメージを持つことができます。

ディベートは論題に対して肯定側と否定側に分かれて行うゲーム

ディベートを学ぶメリットについて知る前に、そもそもディベートとは何なのかを確かめる必要があります。結論から言うと、ディベートとは「ある論題に対して肯定側と否定側に分かれ、その主張を第三者に伝え説得を図るゲーム」のことを指します。

ディベートを行うには、論題の肯定をめざす肯定側、否定をめざす否定側、そして中立な立場で勝敗を決める第三者の3つの立場が必要になります。

例えば、「小学校ではシャープペンシルの使用を禁止すべき」という論題が存在するとします。この場合、肯定側はシャーペンの使用を禁止するメリットを、否定側はデメリットを主張し、第三者にお互いの主張を納得してもらうことを目指します。

双方の主張を聞き、第三者が「シャーペンの使用を禁止すべきだ」と判断したら肯定側の勝利、「シャーペンの使用を禁止すべきでない」と判断したら否定側の勝利になります。

そのため、ディベートで勝利するためには相手の主張を踏まえた上で、それでもなお自分の主張のほうが説得力があることをアピールする必要があるのです。

つまり、ディスカッションやスピーチとは異なり、限られた時間の中で第三者に自分の主張の優位性を伝えようとするのがディベートの特徴といえます。

ディベートを学ぶとメリットたくさん!ディベートで身につく4つの力

それでは、ディベートをすることでどのようなメリットが得られるのでしょうか。筆者が考える、ディベートを行うことで身につく能力は以下の4つです。

・論理的思考力

・自分の考えをわかりやすく伝える力

・混みあった話を整理する力

・情報リテラシー

順番に解説していきます。

理路整然と考えるための力、論理的思考力がディベートで身につく

ディベート経験を積むことで、論理的思考力が身につきます。論理的思考力とは「物事を全体的にとらえて要素に分解し、論理の矛盾や飛躍がないように要素を組み合わせたり、筋道立てて整理したりする考え方」のことです。

ディベートで勝利するためには、相手に言い負かされない自分の主張を組み立てることがとても重要になります。そのためには、自らの主張に論理の矛盾や飛躍がないかを確かめる作業が必要になります。

例えば、シャーペン使用を禁止にするメリットとして、「シャーペン使用をOKにすると、勉強に集中できなくなるから」という主張を思いついたとします。なんとなくは理解できる主張ですが、この主張には論理の飛躍があるといえます。

なぜなら「シャーペン使用OKにすると、勉強に集中できなくなる」理由がここでははっきりと述べられていないからです。このような根拠が薄い主張は、第三者にひびきにくくなってしまいます。

そこで、「シャーペン使用OK → シャーペンのカチカチ音が教室に鳴り響く → 勉強に集中できなくなる」という詳細な理由を1段階組み込むと、論理が飛躍せず主張の説得力が増します。

このように、論理を組み立てて修正していく作業を通じて、筋道立てて整理しながら話したり書いたりできる力が身についていきます。

「自分の考えをわかりやすく伝える力」がディベートで育つ!

ディベートを学ぶことで、自分の考えをわかりやすく伝える力も身につけることができます。ディベートでは、自らの主張を第三者にしっかりと理解してもらうことが重要です。

勝敗を決める第三者は、中立な立場で議論を判断するために、論題について事前知識がまったくないというスタンスでいることが一般的です。

そのため、自らの主張を作るときには、その論題について全く知識がない人にも伝わるように、わかりやすい言葉選びや丁寧な説明を意識しなければなりません。

また主張そのものの構成だけではなく、身振り手振りやアイコンタクト、話すスピードなども、相手に自分の考えを理解してもらうためには非常に重要となってきます。

ディベートに取り組んでいくことで、このような言語型コミュニケーション(言葉で伝える力)と非言語型コミュニケーション(言葉以外で伝える力)の双方の力を高めることができます。

混み合った話を整理する力をディベートで身につける!

複雑な話を分かりやすく整理する力も、ディベートによって高めることができます。ディベートでは、肯定側と否定側の双方の主張が出そろった後が、勝負の分かれ目となります。

それぞれの主張が出そろうと、お互いに合意している点、対立している点を両チームが整理していきます。その上で、相手の主張を踏まえてもなお、自らの主張の方が説得力があることを論理的にアピールできた方が勝者となります。

例えば、「小学校ではシャープペンシルの使用を禁止すべき」の論題において、肯定側は「シャープペンシルは使うときに、音が出て勉強に集中できなくなる」という主張を、否定側は「シャープペンシルを使うと、書くスピードが鉛筆の時に比べて上がるため勉強に集中できる」という主張を出したとします。

肯定側は一例として、「お互いの主張は勉強に集中できるか否かが対立しており、その真偽はこの場では確かめきれない。よって、ここでは個人のみの学習効率か、クラス全体の学習効率かいう視点で議論の判断をすべき。

否定側の主張はシャーペンを使う本人のみの学習効率に注目しているが、われわれ肯定側はクラス全体の学習効率に着目している。シャーペンが出す音はその使用者本人だけでなく、周囲のクラスメート全員の学習の邪魔になり得る。よって、たとえその個人にとって学習にいい影響があるとしても、全体には悪影響を及ぼしうるという点で肯定側の主張を採用すべき」といったように、議論を整理していきます。

このように、ディベートを通して相反する主張を整理していく経験を積むことができます。そうした経験を積むことにより、日常生活や仕事の場においても込み入った話をしっかりと整理できるようになります。

現代社会を生きる上で欠かせない情報リテラシーがディベートで高められる!

さいごに、ディベートにより情報リテラシーを身につけることもできます。情報リテラシーとは、情報の真偽を含めて情報を正しく読み解く能力のことです。

ディベートでは、肯定側と否定側がお互いに反対の論理を主張しあい、水掛け論になってしまうことがしばしば起こりえます。そこで、自らの主張に優位性を持たせるために、引用というテクニックを使います。

引用とは、自らの主張を補うために、自分以外の第三者の意見を持ってくることを指します。例えば、「シャーペンの使用により、学習効率が下がる」と主張したい場合、シャーペンと学習効率の関係について述べている論文を引用することで、自らの主張を強化することができます。

引用するときには、その引用元に権威性があるかに気をつけます。つまり一般人が書いたブログよりも、博士号を取得している学者の論文や公的機関が提供しているデータなどの方が権威性が高いといえます。

このように、ディベートにおいて引用にもちいる情報を探していく上で、情報の真偽や権威性に注目する作業を通して情報リテラシーを高めることができます。

まとめ: ディベートをすることで、人生を通じて役に立つ力を身につけることができる!

この記事ではディベートのメリットについて、どのような力が身につくのかを見てきました。「論理的思考力」、「自分の考えをわかりやすく伝える力」、「混みあった話を整理する力」、「情報リテラシー」。

これらの能力は、ふだんの学習や受験だけでなく、仕事や日常生活でも役に立ち、あなたの生活をよりよくしてくれるものだといえます。

ぜひ、この記事を読んでディベートに興味を持った方は、ディベートに挑戦してみてくださいね。

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